{世界珍籍選集}第六巻、{世界文学叢書}第三巻(世界文學研究會、昭和五年五月)にも収載されているようですが、未見のためコメントが出来ません。
『蚤十夜物語』として連載が開始されたにも拘わらず、前後編合わせて十二章構成という訳の分からない体裁で刊行された、最初の完訳本です。訳者は雑誌連載時と同じ佐藤紅霞です。第一章が【文芸市場】に発表された時は「序章」となっており、後編『ヂュリアさんの話』の第六章は、内容は「終章」に相応しいですが、「終章」と言うには、分量が多いような感じがします。むしろ、前編の第六章の方が、内容的にも分量でも、付け足しのように見えますので、どの部分が元々の十夜に相当したのかは分りません。これは原文に当たって見なければ何とも言えませんし、『デカメロン』特集に登場させるために、無理矢理十夜に当てはめただけかも知れません。書名を『蚤の自叙伝』に替えて刊行したあたりが、怪しいとも言えます。
判型 | 四六判 | 頁数 | 351頁 |
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訳 | 佐藤紅霞 | ||
発行 | 文芸資料研究会 | ||
刊年 | 昭和四年頃 | ||
造本 | 雁ダレ表紙、アンカット | ||
目次 |
前編 ベラーさんの話
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文芸資料研究会版をそのままガリ版でコピーした海賊版です。前後編を二分冊にし、前扉、本扉までそっくりそのままコピーしています。但し、内容的には
判型 | 155×218 | 頁数 | 104頁 |
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120頁 | |||
造本 | ガリ版、袋綴 | ||
目次 |
前編 ベラーさんの話
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文芸資料研究会版の前編『ベラーさんの話』の第一章と第三章の抜粋です。戦前の刊行とは言いきれないものがあるのですが、今回は戦前編に入れました。
判型 | 123×168 | 頁数 | 183頁 |
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編並に著 | 淑〓山人 | ||
造本 | ガリ版、袋綴 | ||
注記 | 『やまと肉蒲團』他五編を併載 |
表紙は「十夜物語」ですが、扉の題名は「蚤十夜物語」となっています。脇書きや第四夜の中断箇所などから、明らかに【カーマシャストラ】からの転載です。創刊号が手に入らなかったのか、内容は第二夜から第四夜の途中までです。
判型 | B6判 | 頁数 | 62頁 |
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目次 | 第二夜 〜 第四夜(途中) |